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トンネルズ&トロールズ
since 2001/07/08
update 2016/10/18

ルイン
「お願いです、もう、人から盗むのはやめてください」

★ ■ ルイン

 ■ 17

 ■ 人間♀

 ■ 村人→僧侶

  
+DATA+
+能力値+ -
+特徴+ 肌の浅黒く、長身のハイランダー。
+グラウンド+ とくになし。
+PC+ ウレス
ガルギス
ミレイユ
ライカ
+備考+ 母譲りの杖。<疾風>が使えるらしい。
+コメント+ こちら、ハイパーT&T。
3回ゲームしたうち、2回はレポートしましたよー。(2001/08/23)
+いらすと+
ノートのいたずらがき、その1。
下書きは、結構いいかげんなのですが、色だけはフツーに塗ってみました。
上のカットのうち、64×64なもの。
GMのそうのすけ氏のページに飾ってあります。
(左図は原寸です。大きくなりません)
ルイン、習作。
最初のイメージとカラー、こんな感じでした。

背の高い、飾り気のない少女・・・こんな感じです。

+ 思い立ったらプレイレポート +

継承五公国  ”ラーサ・レ・ラーサ”
サイドレポート

1話:蒼の紋章の騎士 〜そして少女もまた〜

かつて何物をも汝は愛せず、何物もまたかつて汝を愛せざるべし
萩原朔太郎



こんにちは、みなさん。
本日はルイン導師のためにお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
故人に代わって厚くお礼申し上げます。

私は導師代理、アレス・ラーサともうします。ルイン導師の弟子の1人でした。
今、安らかに眠るルイン導師ですが、かつてそのお仲間と一緒に、動乱の時代を勇敢に、そして同時に優しく生き抜いてまいりました方です。導師が人々に説いたできごとを、私は語り継いでいこうと思っています。
みなさんの心の中に、いつまでもルイン導師が鮮やかに思い出の中に生きていられますように・・・。

▼1話:蒼の紋章の騎士 〜そして少女もまた〜

 
 少女ルインは、ハイランダーであった。
 マケドニアの北西に広がる大地(?)で、閉鎖的に生活を営む高地人たちであった。物心ついたときにはルインには母はなかった。だから、彼女の最初の記憶は、故郷を追われて父と2人で高地を降りていったことだ。
 父は大きく暖かい手で、ルインの手を握る。
 ルインの肩には、自分の服や生活道具の入った袋が重くのしかかっており、すでに疲れ果てていたことばかりが思い出される。歩幅の小さかったルインには、合わせてゆっくり歩いてくれる父の歩みでさえ、精一杯であった。

 旅の終わりには、足下の石ばかり見ながら歩いていた彼女に、父は声をかけた。
父:「さあ、ルイン、見てごらん。フォーゲル村はもうすぐだよ」
言われるままに視線を先にのばすと、がけの下にさして大きくないが美しい村があった。森の緑に囲まれ、屋根には草でふいた黄色、瓦の赤が、強い日差しに照り映えていた。

父:「ルインと父さんは、ここで暮らすんだ。最初は新しいことばかりでとまどうだろうけど、すぐ慣れるよ。ルインはいい子だからね」
そういって、白い歯を見せてほほえみ、ルインのハイランダー帽をかぶった頭をなでた。
ルイン:「(ルインは、いい子じゃないよ・・・)」
先ほどまで重い、疲れたとさんざん泣いて父を困らせていたルインは、なんだか恥ずかしくなって、帽子の前を引き下げ、涙の跡のついた頬を隠した。
 これが、彼女にとって、一番最初の記憶で、一番父の思い出が強い記憶であったという。

 そのルインの背も父に近づこうかというとき、父も亡くなった。
彼女は父の葬式の時、人前では泣かなかった。ハイランダーの神のもとでは、死ぬことは「勇者の列に加えられること」だからだ。
オーク退治で村の人々の尊敬を集めていた父を、ルインも尊敬していたからだ。
だが、村の一部の心ない人々は、父の葬式で泣かない娘は、継子ではないかと噂した。
 そして、ルインは天涯孤独の身となった。

 彼女に残されたものは、小さな家と畑、母の形見の杖、太陽と風。
口笛と、父譲りの長身と、浅黒い肌。
・・・そして、優しい一握りの親切な村人。

◆ ◆ ◆

 ある日の昼。
 ガルギス、ミレイユ、ライカ、ルインの4人は、狩りに出ている最中、一人の若い騎士がオークに襲われているのを発見した。4人はオーク撃退に手を貸し、何とかこれを追い払った。
 騎士の名はウレスといい、マケドニア国のイデリータ姫に仕える「プリンセスガード」の一員であった。彼は、ガルギスの父、ビー・グラハム=リュンセルンに助けを求めに来たのだと言った。
 ウレスが言うには、マケドニアの国政を司っていた”竜公子”ウェイルースが何者かに暗殺されたのだという。しかも、その殺人容疑人として、イデリータ姫は現在囚われの身となったのだ。その姫を助けるため、かつて”マケドニアの盾”と呼ばれた、ビー・グラハムに、助力を頼みに来たのだった。

 ガルギスの家で、騎士ウレスグラハムに頭を下げた。

ウレス:「どうぞ、お力をお貸しください」

 しかし、ピー・グラハムは首を縦に振らなかった。

グラハム:「・・・わしは、退役したのだ。今更なんの役にもたてん」
ガルギス:「親父、若いとはいえ、騎士が頭を下げて頼みに来たってのに・・・」
グラハム:「お前には関係のないことだ。・・・お前も、参加しようなどとはゆめ思うなよ」

 念を押して、そして奥の部屋へと戻っていった。

ガルギス:「・・・」

 父の言葉に、説明らしきものはなかった。
 若いガルギスが、それで納得するわけがなかった。
 彼は、ウレスに個人として協力することを誓った。

 ガルギスが村を出る支度を始めたころ。ミレイユは小声でガルギスに聞いた。

ミレイユ:「ガル、本当にウレスさんのお手伝いをするの?」
ガルギス:「ああ、本当だ」
ミレイユ:「一人で行く気?」
ガルギス:「・・・オレの背中を守ってくれるやつが、いないんだけどな」
ミレイユ:「わかった。私も行くよ」
ガルギス:「ミレイユ、ありがとう」

ミレイユ:「ライカさんは、どうするの?」
ライカ:「私は、いずれにしても、師匠の消息を確かめるためにも出かけなければなりませんでした。
     これも一つの縁でしょう。一緒に行くつもりです」
ウレス:「そうですか。よろしくお願いします」
ルイン:「待って、私も連れて行って!」
ウレス:「ルインさん?」
ルイン:「父さんも死んでしまったし、この町にいる理由もなくなってしまった。
    私のようなハイランダーがこの町にいても、みんなに何もしてあげられない。
    だから、ここを出ていきたいの。お願い」
ガルギス:「・・・わかった。オレがお前を守ってやる。だから、離れるなよ」
ルイン:「ガルギス・・・ありがとう!」

そうして、騎士と4人の村人は、フォーゲルの村を出るのであった。

途中に寄った町で、5人は盗賊の演説を聴くことになる。
盗賊:「オークによって我々の部下が困窮している。いずれオークはこの村も襲うだろう。
    そうなる前に是非助けて欲しい」
その言葉の通り、乗っ取られた盗賊団を解放するために、オークの棲む盗賊のアジトに向かった。
入り口付近でオークらと戦闘となったが、多勢に無勢、5人はオークに捕まってしまう。その後、牢屋にいた自称魔法使いの老人、ウルに手伝ってもらい、なんとかピンチを抜け出した。
町に戻ったルインは、盗賊たちにものを盗むことをやめて欲しいと頼んだ。しかし、盗賊がしらには、まともに取り合ってもらえなかった。
盗賊:「俺達だって、まっとうに生きたいんだ。だが、この時代じゃ、真面目にやっても喰っていけないんだよ!」

傷ついたルインだったが、言い返す言葉もないまま、自らの手をきつく握るしかなかった。


2話:黒の長剣の剣士 〜嵐の神の杖〜

夢みたものはひとつの幸福、ねがつたものはひとつの愛、それらはすべてここにある、と
〜立原道造〜


▼2話:黒の長剣の剣士 〜嵐の神の杖〜

 
 自分の意志で町を離れ、旅に出たのは、ルインにとって初めてのことであった。不安はないわけではなかったが、今の生活から抜け出たいという思いが、不安に勝っていたのだろう。
 父なら、ルインの行動をみてなんと言っただろろう。
 無茶だと叱ったろうか。それとも、大人として褒めてくれただろうか。

 ルインは、ふと、父の最後を思い出した。
 父は死ぬ間際、皺の多いその手でルインの杖を握り、その「符牒」を教えてくれた。
 そして、小さい声だが、はっきりと言ったのだ。
父:「お前も・・・もう立派な大人だ」

 その符牒は、父がよく口にする言葉であったし、ルイン自身も使うこともあった。何の意味があるかは当時の彼女にはわからなかったが、父の最後の言葉なのだからと、長い間心にしまっておいたのだ。
 それから、一度もその符牒を口に出したことはなかった。

◆ ◆ ◆

 フォーゲル村を出て、すでに数日が経った。先日小さな村に寄ったあとは、一行は野営を続けていた。慣れない野営にそろそろ疲れが見え始めていた頃、ガルギスは、ルインに声をかけた。
ガルギス:「ルイン、大丈夫か?」
ルイン :「うん・・・ちょっと疲れてるけど、寝れば大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
ガルギス:「いや・・・まあ、な。オレが守ると約束したからな」

ガルギスは、頬をぽりぽりかきながら、答える。

ガルギス:「ところで、ルイン」
ルイン :「なあに、ガル?」
ガルギス:「この前の・・・オーク退治したあと、お前、盗賊の頭に『盗みをやめろ』って言っただろ」
ルイン :「・・・うん」

 ルインの声は恥ずかしさのため小さくなった。あれは、盗賊の頭の状況や気持ちも考えないで、子供じみた思いつきを口にしたから伝わらなかったのたのだと思っていたからだ。多分、軽はずみな発言を責められるのだろうと思い、身を固くした。
 しかし、ガルギスは叱らなかった。

ガルギス:「オレ・・・いいと思うよ、ああいうの。
      お前の一人の声はまだ小さいけど、そのうち必ず大きくなる日が来る。だから、負けんなよ」
ルイン:「・・・うん」

 そういうと、ガルギスは火の番に戻っていった。
 ガルギスは知っていたろうか。この言葉が、彼女をとても勇気づけてくれたことを。

◆ ◆ ◆

 さらにその日の夜更けは長かった。夜中に一行のもとに、オスタードがやってきたのである。奇襲かと一行は緊張したが、そうではなかったらしい。オスタードは一行を誘うように、ラスペチア砦へと向かっていったのだった。
ミレイユ:「このオスタード・・・飼い主のもとに連れて行こうとしているんじゃない?」
ライカ :「そうかもしれません。しかし、この方向だと、砦にとても近づいているようです。・・・もしかすると、砦の中なのかも・・・」

 と、開けた視界に一行は息をのんだ。そこは、つい先日戦いがあったばかりの、「戦場」であった。血のにおいと腐敗のにおいが、一行を包む。
ミレイユ:「これは・・・」
ウレス :「かなり大規模な戦いがここであったようですね。しかも、マケドニア軍と、ハイランダーとの・・・」

 ちらと、ウレスはルインを見る。
ハイランダーの死体を見たら、ルインは気分を悪くするのではないか。
自分は軍人として訓練されてきたけれど、「死」に直面したことのないこの人が、同族の死にどんな気分になるか・・・。
しかし、ルインは、それ死体をあさりに来ている村人のほうに目を奪われていた。
死屍累々の上を歩く数人の村人。よく目をこらせば、あちこちで追いはぎ行為をしているではないか。
その村人の目のほうが生きているとは言い難かったからだ。うつろに、しかしめざとく死者の持ち物を調べて回っていた。
生きるのに精一杯があるがゆえ・・・それを誰も責めることはできなかった。

 しかし、その場でぐずぐずしているヒマはなかった。向こうからマケドニア軍の騎兵がやってきたのだ。
彼らは村人を追い払っていたが、プリンセスガードのウレスがいることがわかると、逮捕し、城内に連行しようとした。
 兵士は仲間を見回して、言った。

兵隊:「そいつらもウレス殿の仲間か。ならば一緒に連行する」
ウレス:「違う、仲間ではない。見知らぬものどもだ」
ガルギス:「・・・」

ウレスは、仲間をかばい、嘘をついた。
ガルギスはウレスの気持ちを考えて、何もいわなかった。

ミレイユ:「ウレス、そんな水くさいこといわないでよ。私たち、仲間でしょう?
      ・・・兵隊さん、一緒に連れて行って」
兵隊:「わかった、みなさん来てもらおう。
    ・・・ウレス殿、あなたは、立派な仲間をお持ちのようだ・・・」
ウレス:「・・・」

 その後、またまた(笑)牢屋に閉じこめられた一行は、明日の命ともしれずに、2日間を牢屋で過ごした。

 しかし、2日後になぜか見張りが手薄になった。これが好機と隙をついて脱出した一行だったが、広場で公開処刑されるハイランダーの戦士、エルヴィンを見てしまった。
傷つきながらもエルヴィンが「嵐の神」をたたえる歌を歌う姿に、ガルギスとルインは立ち止まってしまった。
ガルギスの服の裾を、ルインがぎゅっとつかむ。

ルイン:「ガル・・・どうしたらいいの?」

 そんな2人を見て、ミレイユがたしなめる。

ミレイユ:「見るのは、やめよう。つらくなるだけだから。
      ・・・まず自分たちが助からなければ、何も意味がないじゃない」
ガルギス:「わかってる・・・そうしたほうがいいってわかってるけど、そうも行かないんだ!」

そういうと彼は、背中の剣を抜き、群衆の中を走っていった。

ミレイユ:「ガル・・・ったく、もう、アンタの背中を守る身にもなってよ!」
そのあとを、怒るミレイユと苦笑しているライカが追う。
そして、なにかを決心したような面もちのウレスが追った。

 ルインも、無我夢中で皆の後を追った。
自殺行為とわかっていても、飛び込まずにはいられなかった。
そして、母に祈った。
顔も知らぬ母に。

 あたしに、力をください、母よ、「嵐の神」よ。

 「符蝶」は、ルインに思わぬ力を与えた。
とたんに、杖から出た一陣の風が処刑場に吹き抜け、処刑人は一瞬顔を覆った。
その瞬間にエルヴィンのオスタードが場内に駆け込んできた。
それを合図とガルギスらも場内に飛び込み、処刑人をなぎ払う。それら青年らの剣をもって、エルヴィンを助け出したのだった。

 城内から抜け出しても、すでに相当の数の当然追っ手がすぐそこまで来ていた。
万事休す、というところで、ルインのオスタードに一緒に乗っていたウルじいさんが呪文をかけると言ったのだ。
ウル:「よいか。わしが呪文で助けてやるから、しっかり目を閉じておくのじゃぞ」

 しかし、<フライ>の呪文で、仲間を空に飛ばそうとしたウルじいさんの呪文は失敗してしまったのだ。ガチンと大きなことがしたかと思うと、兵士の大半とウルじいさん本人を、大きな「エビフライ」に変えてしまったのだ。
ライカ:「ウル・・・さん!?」

残った兵士は、それでも任務を全うしようと、ウレスらに攻撃を仕掛けてきた。

ルイン:「あたしも、戦います。これ(ウルじいさんだったエビフライ)、預かってください!」
ライカ:「・・・いいけど・・・(笑)」

 ウルじいさんだったエビフライをもったライカ以外で、何とか兵士を追い返すことができた一行は、ハイランダーの一族に戻るエルヴィンと別れ、アムリタへと向かっていった。エルヴィンは、ルインの母親や羽根飾りの杖について何か知っている様子だったが、それについて語ることはなかった・・・。

・やべー。ルインは、そーとーのパパっこになりそうです。気がついたら、パパとの思い出ばっかり語ってしまいそうです。ダメ娘め(笑)。

・ルインは、母の形見の杖を使うことができたので、僧侶となりました。めでたしめでたし。
・ちなみに、ハイランダーは自然崇拝なんでしょ? 自然崇拝というと、どーしても「ルパン三世のテーマ」の2番しか思いつかないのです。

♪男には自分の世界がある 
  たとえるなら風をはらい荒くるう稲光〜

・・・というわけで、ルインの信仰する神様は、ライトニングとなりそうです。男じゃないけど。しかも、ハデな、破壊系の神っぽいけど(笑)。





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いろいろ厨設定がんばって作りました。


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